1.7. 学術論文数の推移が示す日本の衰退
学術論文数は少子化と無関係と思われる方も多いと思いますが、実は根は同じ所にあります。共にお金の不足です。日本をこのような状態に追い込んだのは1990~2000年代のリストラの嵐であり、その結果の失われた停滞の30年です。
大学や企業の研究所も研究資金が抑えられており、自由な研究が抑制されているものと推測されます。日本の失われた30年が、結婚・出産を抑える少子化だけでなく、学術論文の減少にも大きく影響しているのです。
大学や企業の研究所も研究資金が抑えられており、自由な研究が抑制されているものと推測されます。日本の失われた30年が、結婚・出産を抑える少子化だけでなく、学術論文の減少にも大きく影響しているのです。
Science Portalは「論文数は世界4位だが注目論文数は10位に後退 今年の『科学技術指標』2021.0817」にて次のように記しています。
文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が、「科学技術指標」の2021年版を公表した。主な指標のうち、日本の1年当たりの論文数は世界4位で昨年調査と同位だった。しかし、注目度の高い論文数では昨年の9位から10位に順位を落とし、日本の研究活動の国際的地位向上が喫緊の重要課題であることを改めて示した。中国は1年当たり論文数、注目度が高い論文数ともに世界1位だった。
図1—19を見ると残念ながら、日本の注目度の高い論文数は、人口が日本の3分の1のカナダと、人口が日本5分の1のオーストラリア以下になっています。日本の研究の質が低下しているのです。
主要国の研究開発費総額の推移を図1—20に示します。研究開発費の国際比較において、1990年当時の日本はアメリカに次いで世界で第二位の研究開発費を誇っていました。しかし、それから30年の間に、アメリカとEU27カ国および中国が研究開発費を3倍~5倍に急速に増額している間に、日本は30年間ほぼ横ばいです。
主要国の研究開発費総額の推移を図1—20に示します。研究開発費の国際比較において、1990年当時の日本はアメリカに次いで世界で第二位の研究開発費を誇っていました。しかし、それから30年の間に、アメリカとEU27カ国および中国が研究開発費を3倍~5倍に急速に増額している間に、日本は30年間ほぼ横ばいです。
日本の博士号取得者は韓国の2.3分の1にしか過ぎません。その上、2008年から2016年にかけて世界では博士号取得者が増えている中で、唯一日本だけが減っています。
また、企業部門の研究者の数の推移を図1—22に示します。
また、企業部門の研究者の数の推移を図1—22に示します。
図1—22の企業部門における研究者数を見ると、日本は2000年からほぼ横ばいであり、この間にEU28カ国・中国・アメリカが2018年には2000年の2倍以上に研究者を増やしています。
日本は科学技術立国しか生きる道が無いのに、このように研究費を抑え、研究人員も増やさず、その結果重要論数では後れをとり、博士号取得者でも韓国の半分以下です。これで良いのでしょうか。
日本の心臓ともいえる科学技術研究体制の立ち遅れを誰がどのようにしたら取り戻せるのでしょうか。その責務は何処の誰にあるのでしょうか。政治家でしょうか。政府の官僚でしょうか。企業経営者でしょうか。大学でしょうか。
答えは、潤沢な資金をこの方面に投入することだと思います。このためには失われた30年の停滞から脱却し、日本を再び活性化する以外に方法はないと思います。お金が潤沢に投入されれば、優秀な人材も集まると思います。このために政治家も、政府も、企業も、大学も現在の停滞から抜け出す知恵と力を発揮する必要があります。停滞による国民の低収入からの脱出は少子化対策の基本でもあります。
どうしたら失われた30年の停滞から脱却できるのでしょうか
日本は科学技術立国しか生きる道が無いのに、このように研究費を抑え、研究人員も増やさず、その結果重要論数では後れをとり、博士号取得者でも韓国の半分以下です。これで良いのでしょうか。
日本の心臓ともいえる科学技術研究体制の立ち遅れを誰がどのようにしたら取り戻せるのでしょうか。その責務は何処の誰にあるのでしょうか。政治家でしょうか。政府の官僚でしょうか。企業経営者でしょうか。大学でしょうか。
答えは、潤沢な資金をこの方面に投入することだと思います。このためには失われた30年の停滞から脱却し、日本を再び活性化する以外に方法はないと思います。お金が潤沢に投入されれば、優秀な人材も集まると思います。このために政治家も、政府も、企業も、大学も現在の停滞から抜け出す知恵と力を発揮する必要があります。停滞による国民の低収入からの脱出は少子化対策の基本でもあります。
どうしたら失われた30年の停滞から脱却できるのでしょうか
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