10.12.今後の出生数の予測
2021年の合計特殊出生率は1.33で男女2人が生涯に平均で1.33人の子供を生む少子化となっています。この勢いで少子化が進めば、日本は人口が減少し衰亡へと向かいます。日本はこの危険な少子化を止め、滅亡へ向かう現状から脱出できるのでしょうか。
日本の少子化対策を難しくしている要因は年齢別の人口構成にあります。この様子を1930年、1950年と215年を対比して図10—6に示します。
図10—6によれば、1950年と対比して、2015年の人口構成が全く異なっていることが解かります。たとえば、
0~4歳児:1950年11,205,457人→2015年4,987,706(44.5%)人
65~69歳:1950年 1,770,715人→2015年9,643,867(544.8%)人
になっています。すなわち1950年から2015年の65年間で、0~4歳の新生児は半分以下に減り、65歳以上の高齢者が5倍以上に増えています。そして子供を生める年代の人39歳以下の若い人が、年齢が若くなるにしたがって減っているのも1950年は年齢が若くなるにしたがって増えているのと対照的です。今後はこの若い人の減少に従って出生数が減少し、5倍以上に増えている高齢者は年々死亡者するので、今後の急激な人口減少は避けられません。
そこで、今後子供を生める可能性を持っている39歳以下の女性の年齢別人口の変化を調べ、図10—7を作成しました。
図10—7から2021年には39歳に人が74.6万人でしたが、0歳児は40.5万人で54.3%になっていることが解かります。
この図10—8の出産可能年齢の女性数を用いて2022年の出生数を基準に2040年の出生数を推測すると次の表10—8になります。
出生数の減少を止め、毎年一定数の出生数が確保されるためには合計特殊出生率を1.33以上に高める必要があります。そして合計特殊出生率を高めて安定した一定の出生数を何人にできかによって、増えも減りもしない日本の静止人口が決まります。
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