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2.4. 非正規雇用労働者の実情

 非正規雇用労働者は、正社員と言われる正規雇用労働者に対応する呼称で、15歳以上のパート・アルバイト・派遣社員・契約社員・嘱託などの総称です。
 2022年4~6月期の雇用形態別のデータで、非正規雇用労働者は男女合わせて2,084万人で、男性669万人、女性1,415万人です。この人たちは最低賃金に近い低賃金で働いているのです。非正規雇用労働者は、正規雇用の職員・従業員(正社員)3618万人と合わせた全雇用労働者5702万人の36.5%になります。その構成を図2—6に示しました。
 非正規雇用労働者数の年齢階級別の推移を図2—7、図2—8に示します。

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 図2—7を見ると、男性は60歳定年を過ぎて、非正規雇用労働者として働いている65歳以上の人が200万人であり、55~64歳132万人の中の60歳以上の人が非正規雇用労働者になっているものと推測されます。
 図2—8を見ると、女性の場合は、35~64歳の働き盛りの人がパートやアルバイトになっているものと推測されます。
 ここで問題は、男性の場合25~64歳までの現役年齢の人です。その人数は
  25~34歳78万人(結婚適齢期)
  35~44歳57万人(子育適齢期)
  45~54歳61万人(働き盛り期)
  55~64歳132万人、
 合計328万人です。
 特に、25~34歳78万人と35~44歳57万人を合わせた135万人は結婚適齢期であり、かつ子育て適齢期でもあります。この人たちが結婚も出産も出来ない低い年収では、少子化は進むばかりです。男性だけでは無く、結婚適齢期と出産適齢期の女性についても同様なことが言えます。
 業界ごとの非正規雇用労働者が働いている人数の比率を図2—9に示します。非正規雇用労働者はサービス業関連と小売業など、飲食・宿泊・娯楽・生活関連サービス・卸売り・小売りなどの生活に密着した業界で特に多いようです。

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 そして、非正規雇用労働者が働いていない業界はありません。