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3.5.長時間残業をする状況の実態

 内閣府が、株式会社インテージリサーチに委託して、インターネット調査を実施(平成 25 年 9 月)した「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」に中に、働く人が残業する意識調査がありましたので、図3—7として引用します。

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 この調査は労働者全般 3,154 人(回収) 、20 歳~59 歳の男女で被雇用者 、正社員 2,537 人、非正規社員 617 人について行われました。図3—7から、長時間労働している人ほど、上司が残業の多さを高く評価していると感じていることが分かります。すなわち、上司による部下の残業を高く評価する態度が長時間残業を生んでいるのです。
 また、長時間労働社員からみた職場の雰囲気がありますので、図3—8として転載します。

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 図3—8は長時間残業している人は、「一人当たりの仕事量が多い」、「突発的な業務が生じやすい」、「納期や締め切りに追われがちだと思う」など業務管理体制に課題を感じています。これは日本の多くの職場の管理者側に問題があることを示しています。また、仕事が終わっても帰りにくいことも指摘されています。この調査の結果は、長時間労働には上司の部下に対する評価の態度と職場の雰囲気や業務管理体制などが大きく影響している様子が伺えます。
 図3—7、図3—8は、日本の企業や組織体では、その職場の業務管理体制が不備であり、かつ残業を無くそうとする意識が無いことを示しています。残業時間の多さは上司が残業を評価するから行われています。このような上司は、業務管理もまともに出来ないダメ上司と言えます。ダメ上司を放任している一段上の上司も優れた人材とは言えません。このダメ人材の連鎖は企業や各種組織体のトップへと繋がります。組織のトップが従業員の自由時間を創る意識を持っていない人が多いのです。深夜や早朝に社内会議を開催して得意になっている人物はダメなトップの見本です。