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6.女性が子供を産む数の減少

 出産は女性の命を懸けた一大事業であり、国の存続と発展の基礎です。女性が子供を生まないとその国は必ず衰亡します。では、女性が喜んで子供を産めるようにするにはどうしたら良いか考えてみましょう。

6.1.出生数と死亡数と自然増減の推移

 厚生労働省の人口動態総覧の年次推移データにより、1980年から10年ごとの出生数・死亡数・自然増減を図6—1にしました。

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 図6—1を見ると出生数は1980年から41年間で半分近くに減少し、死亡数は2021年には約2倍に増えています。日本は2007年頃に出生数を死亡数が上回り始め、人口が急激に減少、年々減少数が拡大しています。
 また、都道府県別の出生数を『少子化白書』から引用し、図6—2として示しました。図6—2は大都市を抱える都府県での出生数が大きく、日本は人口が大都市に集中する傾向がはっきりと示されています。

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 注目すべきことは、2005年から2020年までの15年間の出生数の減少率の地域差です。上の都道府県別の出生数の確定値の表から、2005年から大きく減少した県を拾い出し、減少度合の大きい順と減少度合の少ない順位に記して図6—3にしました。

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 図6—3を見ると、宮城県以外の東北5県の出生者数の減少度合が大きいことが分かります。秋田県は41.5%も出生者が減少し、30%台減少した県は岩手・福島・青森・山形・栃木・群馬・富山の7つの県です。減少が10%台にとどまったのは岡山・大阪・愛知・福岡・沖縄で、東京だけは出生者が増えています。
 日本では地方ほど出生数の減少が激しくなっています。すなわち、地方から衰退が始まっているのです。