離婚は、既に見た①~⑳のように、相手のことなど考えずに、自分のためだけに好き勝手な行動する利己主義から起こると思われます。では利己主義はどこでどのようにして生まれてくるのでしょうか。 考えてみると、生まれたての赤ん坊の動作や行為は利己主義そのものです。これは赤ちゃんが生きて行くための本能だと思います。赤ん坊は利己主義のそのものなのに母親はなぜその子を可愛がって育てることができるのでしょうか。それは、赤ん坊は利己主義が満たされた時、喜びの笑顔で母親に喜びを還しているからです。母に優しくしてもらった時、赤ん坊は幸せの満面の笑顔で喜びを返すのです。これが母親の喜びとなり、母と子の関係がうまくゆくのです。夫婦の間でも同じことが言えるのではないでしょうか。 ...
5.5.離婚を減少させることは可能か
離婚を減少させるために第一に大切なことは、非正規雇用労働者の生活不安を解消させることです。このことは図5—1 離婚数の年次推移のグラフが雄弁に語っています。1990年代に急激に離婚数が増えたのは、それまで総中流階級として安心して生活していた人たちが、リストラにより会社を追われ、生活不安定になり、貧困層に追いやられ結婚生活を維持できなくなったからです。そして2002年以降は離婚数が高止まりしているのは、会社を追われた人たちが非正規雇用労働者として低賃金になり、家計が苦しく、安定した家庭を維持出来ずに離婚に至ったのだと思われます。 ...
5.4. 離婚しなければ生まれたであろう子供の数の推計
「5.2.年齢階層別の離婚数の推移」で離婚による失われた子供の数の一部の蓋然性について記しましたが、ここで離婚が少子化へ与える影響を知るために、失われた全体の出生数の推算を試みます。 厚生労働省の統計表 「第2表-1 人口動態総覧の年次推移」によれば、平成20年(2008年)のデータでは、251,136組が離婚しており、表5—1によれば39歳以下は158,716組63.2%です。この内離婚当時子どもが無なかったのは56,441組で、子供がいたが離婚したのは102,275組です。 ...
5.3.就業形態による離婚率の差異
厚生労働省が行った「21世紀出生児縦断調査及び21世紀成年者縦断調査 特別報告書」には就業形態による離婚率の差が、正規雇用者を基準として図示されています。それを図5—6として下に転載しました。 ...
5.2.年齢階層別の離婚数の推移
図5—4 年齢階層別の離婚数の推移を見ると、男女共に出産可能年齢である25~39歳までの年齢層の人たちの離婚率が高く、出生数の減少にこの層の人たちの離婚が拍車をかけていると思われます。 ...
5.離婚者の累積
「健(すこ)やかなる時も 病める時も、喜びの時も 悲しみの時も、富める時も 貧しい時も、互に愛し 敬い 慰め合い 共に助け合い、その命ある限り真心を尽くす」ことを誓って結婚したはずですが、なぜか身の周りには離婚した人が多くいます。離婚の理由は千差万別であり、離婚も個人の自由ですが、結果として子供を生まなくなるので、少子化の重要な要因です。 ...
4.9.日本の舵取りをしている方々へのお願い
結婚・妊娠・出産には生物学的な適齢期が人間にもあるので、いたずらに晩婚になるのは危険であることを、未婚の若い男女を含めて、広く社会に知らしめる教育と広報が必要です。その上に立って、総合職・専門職・技術職の女性には、結婚し出産し育児が安定するまでは深夜勤務などの時間外勤務を無くすか、大幅に削減する法的な対策が必要です。 ...
4.8. 結婚・出産しにくい女性の総合職と専門職
総合職や専門職と言われる職種の女性が日本の全産業分野で働いています。この女性の社会進出の基礎となる女性の大学進学の様子を見てみます。図4—18に示すように女性の大学進学は1900年過ぎから急速に増えています。女子大学生数は1950年の約2万5,000人が最少で、2019年の約129万人が最多です。男性の学生数を100とすると、女性の大学生数は73.7まで増えました。 ...
4.7. 不妊治療の結果とその費用
2022年度から不妊治療が保険適用となりましたがこれにより、何時でも安心して出産できるものではありません。不妊治療をすれば全て出産に繋がるものではないのです。「治療の成功率と年齢」|不妊College (ferring.co.jp)によれば、次の記述がありますので引用します。 ...
4.6.不妊や染色体異常の原因は男性にもある
不妊や子どもの染色体異常は女性側の加齢だけが原因で引き起こされるわけではありません。実は男性の加齢もそれらの原因になり得るし、「流産や子どもの先天性異常に影響を及ぼす」として、流産に及ぼす父親の年齢の影響をグラフで示しています。 ...