結婚適齢期の男女が、結婚したいと思える相手に巡り合えるためには、仕事から解放された自由時間が大切です。結婚適齢期の人は、残業に明け暮れず、土曜日や日曜日は休日出勤に縛られずに、自由時間を持たないと、結婚相手に巡り会うチャンスは生まれません。『少子化白書』から「男性就業者の長時間労働の割合(国際比較)」を、図3-4として転載します ...
3.2. 独身でいる理由
『少子化白書』によれば、25~34歳の未婚者が独身でいる理由は次の表3—1の通りです。(下記項目の内3項まで選択可とした2015年の調査結果)表3—1で、結婚する意志を阻害している要因を挙げると、次のようになります。比率は上の表の男女の内の多い方の%数値を記しました。① 適当な相手にめぐり会わない:51.2% ② 結婚資金が足りない:29.1% ③ 住居のめどがたたない:7.2% ...
3.1. 35歳以上での未婚率の増加
人は誰でも心の底では好きな人と結婚して子供を産み、幸せな人生を過ごしたいと願っていると思われます。しかし現実には結婚しない人が多くいます。なぜでしょうか?総務省統計局「国勢調査」の資料によれば、男性の35~54歳までの未婚者の比率は図3—1ようになっています。図3—2は年齢階級別の未婚率です。 ...
2.11. 日本の舵取りをしている方々へのお願い
日本の少子化が進んでいる重要な要因は日本の失われた30年の停滞です。30年間の経済・賃金の停滞の原因は、企業が内部留保の蓄積に熱心で国内投資を怠り、かつ2,000万人を越える非正規雇用労働者を極めて低い賃金で働かせ、一般世帯の年収も低下させていることです。そして結婚も出産も出来ないワーキングプア―を生み出している最低賃金の存在です。日本人の労働者層の大部分が低収入になり、日本全体が貧しくなり、消費を控えて経済が停滞し、結婚もできず、子供も生めなくなり、少子化が進んだのです。 ...
2.10.非正規雇用者への差別待遇の禁止
令和3年(2021年)4月12日の「政府広報オンライン」に「2021年4月1日からパートタイム・有期雇用労働法が中小企業も適用に」との記事が掲載されています。「正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差が禁止されます!」との見出しで、その要点を分かりやすく紹介されていますので、図2—22として次に引用します。 ...
2.9.国際的な賃金とGDPの比較
これまでは非正規雇用労働者や最低賃金の人に関して述べてきましたが、日本全体の労働者の状態を国際的に比較して見てみます。 図2—18を見ると、日本だけが1人当たりの実質賃金が横ばいで、30年間まったく伸びていません。図2—19のようにすでに韓国にも追い抜かれています。 ...
2.8. 企業の内部留保と非正規雇用労働者
すでに見たように、企業や地方公共団体などの職員・従業員の身分は正規従業員・非正規従業員に分かれています。この制度は従業員を雇う立場からすれば採用人員の柔軟性が確保され、経費を削減し利益を増やせるので好ましいことです。 一方、雇われる人の立場ならすれば、パートやアルバイトなど自由に働く時間を自分で選べる必要がある場合を別にして、正規従業員と同一の仕事をしているいのに非正規雇用従業員であるからとの理由で賃金を結婚できないほど低く抑えていることは、困った問題です。 ...
2.7. 非正規労働制度の始まりと関連法
このような差別社会になる雇用制度は誰が何時頃創ったのでしょうか。そしてどのような経過をたどったのでしょうか。 労働力人口(非正規割合の推移) ~増える非正規、変わる非正規~ – 組織・人事コンサルティングの株式会社トランストラクチャ (transtructure.com)に2021年1月26日付の図が有りましたので、図2—13として引用させてもらいます。 ...
2.6.地方公務員の非正規雇用の実態
東京新聞・経済・2022年3月19日には次の記述があります。手取り14万円の劣悪な待遇…非正規化進む地方公務員、15年で1.5倍に「公共サービス持続困難に」。地方自治総合研究所の上林陽治研究員の調査では、「年収500万〜700万円の正規職員と比べ、(非正規雇用者の年収は)その3〜4割の水準にとどまる。」と記されています。すなわち、年収180~280万円です。 ...
2.5.非正規の職員・従業員になった動機
非正規雇用労働者はどのような動機でその雇用形態に就いたのか、2013年の総務省統計局の<労働力調査ミニトピックス No.7>の「非正規の職員・従業員がその雇用形態に就いた主な理由」のデータを図2—10、図2-11にしました。 図2—10は、年齢区分の関係で、「正規の職員・従業員の仕事が無い」の比率が正確ではないと思われます。例えば、15~34歳の中には高等学校で勉学中の15~17歳の人が含まれ、18~21歳の大学生はまだ仕事に就いていない人が多く存在します。 ...