少子化の問題に取り組んでみて、この問題は日本の病巣に源があることが分かりました。その病巣は「失われた30年の停滞」を生み出した日本の社会構造です。単に少子化担当大臣に任せておけば良い問題ではありません。また、少子化対策予算を増やせば解決できる問題でもありません。 ...
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2.11. 日本の舵取りをしている方々へのお願い
日本の少子化が進んでいる重要な要因は日本の失われた30年の停滞です。30年間の経済・賃金の停滞の原因は、企業が内部留保の蓄積に熱心で国内投資を怠り、かつ2,000万人を越える非正規雇用労働者を極めて低い賃金で働かせ、一般世帯の年収も低下させていることです。そして結婚も出産も出来ないワーキングプア―を生み出している最低賃金の存在です。日本人の労働者層の大部分が低収入になり、日本全体が貧しくなり、消費を控えて経済が停滞し、結婚もできず、子供も生めなくなり、少子化が進んだのです。 ...
2.9.国際的な賃金とGDPの比較
これまでは非正規雇用労働者や最低賃金の人に関して述べてきましたが、日本全体の労働者の状態を国際的に比較して見てみます。 図2—18を見ると、日本だけが1人当たりの実質賃金が横ばいで、30年間まったく伸びていません。図2—19のようにすでに韓国にも追い抜かれています。 ...
2.4. 非正規雇用労働者の実情
非正規雇用労働者は、正社員と言われる正規雇用労働者に対応する呼称で、15歳以上のパート・アルバイト・派遣社員・契約社員・嘱託などの総称です。2022年4~6月期の雇用形態別のデータで、非正規雇用労働者は男女合わせて2,084万人で、男性669万人、女性1,415万人です。この人たちは最低賃金に近い低賃金で働いているのです。非正規雇用労働者は、正規雇用の職員・従業員(正社員)3618万人と合わせた全雇用労働者5702万人の36.5%になります。その構成を図2—6に示しました。 ...
2.3.最低賃金と生活保護
非正規雇用労働者(職員・従業員)と言われる人は、最低賃金かその少し上の賃金で働く場合が多く、最低賃金は非正規雇用労働者(職員・従業員)の基準賃金的な面があるようです。その最低賃金は最低賃金法で次の規定があります。 ...